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ボストンマラソン爆弾テロ容疑者のRollingStone誌カバー写真騒動

2013年07月18日

容疑者はロックスター!?

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7月17日に発売された米国の人気カルチャー誌「Rolling Stone 8月3日号 」で、ボストンマラソン爆弾テロの容疑者を起用した表紙がネットを中心の大きな論議を醸し出している。

問題は、その表紙の写真がまるでロックスターのような見栄えであることから、犯罪容疑者をこのように偶像的に表現した雑誌社のFacebookやオンライン版記事では、またたくまに数千のコメントが投稿され、不買運動までに発展している。

このカバー写真自体は、容疑者が過去に自身で撮影したものを利用しており、5月5日発売の" The New York Times" 紙にも同じ写真が一面にも掲載されていた。

しかし、そのタイトルは容疑者の穏やかな容姿に我々が惑わせられるであろう事を指摘した
内容であった。
"The Dark Side, Carefully Masked."(「真の闇の影、それは注意深く覆われていた」)

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ボストン市長も雑誌社へ遺憾の声明文まで公表し、一部の小売店でも本誌を店頭から自主的に販売中止にするなど波紋が拡大してる。


過激な表現(カバーストーリー)で注目を狙え

米国の広告専門雑誌オンライン版 "AdAgeでは、この騒動において雑誌社側が利益を上げるためにおこなう最近の常套手段である事をレポートしている。

多くの雑誌の売上が低迷するなか、近年では "TIME" 誌などのビジネス雑誌も過激なカバー写真などで売上や定期購読者の数を増やしている例も多数あるという。

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ただ、今回は不買運動は広告主の製品まで広がりをみせ、
RollingSton誌の広告掲載費の減益が長期的に懸念されると同誌は指摘している。

SNSの時代、人の感情はネットを通じて瞬く間に繋がり、そして社会の文脈を紡いで行く。

しかし、このやり方で、一回きりでなく定期購読者が本当に増えるの?